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犬の避妊手術について

こんにちは。
木場駅・東陽町駅が最寄りの「木場パークサイド動物病院」です。

犬の避妊手術について

目的

犬の避妊手術は女の子特有の病気を予防するために行います。
具体的には子宮蓄膿症と乳腺腫瘍の予防効果があります。

子宮蓄膿症

避妊手術をすることでほぼ100%予防ができます。10才以上の未避妊の女の子の犬では23~24%が発症し、発症した子のうち8%が亡くなるというデータもあります。発症した場合緊急疾患になりますので手術が必要になります。

乳腺腫瘍

1回目の発情の前に避妊手術をした場合発症する確率が1/200(95%予防)2回目の発情の前に実施した場合1/13(92%予防)3回目の発情前に実施した場合70~80%予防できるとされています。4回目の発情以降ではあまり予防効果がないとされています。高齢の未避妊の女の子の20~50%が発症するとされています。

時期

避妊手術は生後6ヶ月以降の実施が推奨されています。
これには以下の2つの理由があります。

  • ある程度成長して肝臓や腎臓の機能がしっかりしてきてから行うべきである。

  • あまり幼若な時期に避妊手術をすると成長の妨げや、大人になってから尿もれの原因になりうること。

方法

2つあります。

  • 卵巣のみ摘出

  • 子宮と卵巣の両方を摘出

過去にアメリカで調べたデータによるといずれの方法でも平均寿命はほぼ同じでした。このデータが発表されて以来、より負担の少ない卵巣のみの摘出が主流になっています。

流れ

定期的に検診にお越しいただき以下のことを確認します。

  • 体重は順調に増えてきているか

  • 永久歯は生えてきているか?乳歯は残っていないか?

  • 発情はきていないか?

個体ごとにこれらの状況は異なりますので、状況を確認しながら飼い主の方と相談を繰り返して、その子にとってベストな時期を決めます。

準備

エリザベスウエア(お腹の部分が隠れる洋服)の準備をお願いしています。(*エリザベスカラーは使いません)

当日

日帰り手術になります。手術当日は絶食(朝ごはんを食べない状態)でお連れいただきます。
午前中にお預かりし、12:00~16:00の間に手術をし、夕方お迎えにお越しいただきます。

手術

当院ではシーリングシステム(サンダービート)を使用しています。
これは以下のメリットがあります。

体内に糸を残さない
手術時間の短縮
より確実な止血

小型犬で体重5kg以下の子の場合、術創(手術のキズ口)は2cm程度です。手術の所要時間は20分弱で終わります。麻酔から覚めたら3時間ほど病院で様子を観察させていただきます

費用

  • 診察料(再診療) 1,100円(税込)

  • 術前検査(腎機能・肝機能・循環器・呼吸器の検査) 7,700円(税込)

  • 手術代

5kg未満

55,000円(税込)

5kg〜10kg

60,500円(税込)

10kg〜15kg

66,000円(税込)

シーリングシステムで卵巣を切除している写真です

皮膚の縫合が終わった後の写真です

乳歯遺残

小型犬の80%に起こるとされています。
永久歯が生えているのに乳歯が残っている状態です。これを抜歯する場合、全身麻酔と鎮痛剤の投与が必要になります。避妊手術の時に一緒に実施することが多いです。

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