下痢に抗菌薬 ( 抗生物質 ) は必要 ? |江東区の木場パークサイド動物病院 NEW
下痢の治療に対して抗菌薬 ( 抗生物質 ) を処方されていることをよく見かけます。
よく考えてみると、周りの人たちのなかに、「私、下痢をしていてお医者さんに抗生物質を処方してもらっているのよ」という話を聞いたことがないですよね?
抗生物質は細菌をやっつける薬ですが、下痢に対してはほとんどの場合不要です。
むしろ、抗生物質を投与すると腸内フローラの善玉菌もダメージを受けてしまい下痢が悪化してしまうこともあります。では、下痢の時にはどのように治療したらいいでしょうか?
下痢には急性と慢性がある
急性下痢:突然症状が始まって、2~3週間以内に改善します
慢性下痢:3週間以上下痢が続く場合を指します
顕微鏡で悪玉菌を確認できる?
顕微鏡では悪玉菌の増殖を確認できません。
らせん菌や芽胞菌を確認できたとしても、それが本当に悪さをしているかは顕微鏡では わかりません。これを理由に抗生物質を処方されている例もよく見ますが、科学的根拠の ない治療になります。
状態が安定している下痢に抗菌薬は不要
急性下痢 ( 過去7日以内に発症 ) を以下の3つのグループ ( 20頭ずつ ) に分けて治療したデータがあります。
Group A:プロバイオティクスを10日間
Group B:メトロニダゾール ( 抗菌薬 ) を10日間
Group C:無治療で10日間
便が改善するまでの期間は以下の通りです
Group A:平均3.5日
Group B:平均4.6日
Group C:平均4.8日
→プロバイオティクスでの治療が最も早く便の状態が改善しています。
プロバイオティクスとは、ビオフェルミンのような腸内環境を整えてくれる「生きた善玉菌」のことです。
急性下痢 ( 過去3日以内に発症 ) を以下の2つのグループ ( 8頭ずつ )に分けたデータもあります
Group A:無治療で7日間
Group B:クラブラン酸アモキシシリンを7日間
便が改善するまでの期間は2つのグループで差はありませんでした。
急性下痢の治療まとめ
・安定している ( 元気・食欲がある ) 急性下痢の場合、抗菌薬治療は利益 がなく、むしろ不利益になる可能性が高い
・プロバイオティクスで治療するのが最も効果的
人のビオフェルミンは犬や猫で効果が証明されていません。害になることはありませんが、効果がない可能性が高いです。
当院では、どうぶつ用に開発され効果の証明されているプロバイオティクスを使用しています。
下痢はとてもよくみられる症状です。
おうちの子が下痢になってしまったらご相談ください。